副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.

重大な副作用

過敏症(発疹,蕁麻疹,顔面浮腫,剥脱性皮膚炎,Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
本剤の投与により発疹,蕁麻疹,顔面浮腫,剥脱性皮膚炎,Stevens-Johnson症候群等の過敏症が,ごくまれに報告されている.このような症状が認められた場合には,本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと.

その他の副作用

1. 循環器
頻度不明
潮紅,動悸,ほてり,血管拡張,心拍数増加,胸痛,狭心症,頻脈,高血圧,低血圧,心筋梗塞注1),心臓突然死注1),失神,起立性低血圧
2. 感覚器
頻度不明
霧視,眼の充血,眼の異常感,耳鳴,視覚障害,眼痛,流涙増加,眼刺激,結膜充血,視野欠損,結膜炎,乾性角結膜炎,眼瞼腫脹,色覚変化,回転性眩暈,網膜静脈閉塞,非動脈炎性前部虚血性視神経症注2),網膜動脈閉塞
3. 消化器
頻度不明
消化不良,上腹部痛,悪心,胃食道逆流性疾患,下痢,口内乾燥,胃炎,嘔吐,腹痛,胃(胸部)不快感,便秘,腹部膨満,軟便,胃刺激症状,嚥下障害,食道炎
4. 肝 臓
頻度不明
肝機能異常(AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇を含む),ALP上昇
5. 腎 臓
頻度不明
腎機能障害,尿酸値上昇
6. 筋骨格
頻度不明
背部痛,筋痛,四肢痛,関節痛,筋痙攣(筋収縮),筋骨格痛,筋骨格硬直,頚部痛,殿部痛
7. 精神・神経系
頻度不明
頭痛,めまい,睡眠障害,錯感覚,傾眠,不安,脳卒中注1),感覚鈍麻,片頭痛
8. 泌尿・生殖器
頻度不明
排尿困難,勃起増強,意図しない勃起,持続勃起症,勃起の延長
9. 呼吸器
頻度不明
鼻閉,鼻炎,副鼻腔うっ血,呼吸困難,喀血,鼻出血,咽頭炎
10. 皮 膚
頻度不明
紅斑,多汗,爪囲炎,そう痒症
11. その他
頻度不明
疲労,無力症,疼痛,体重増加,けん怠感,熱感,末梢性浮腫,粘膜浮腫,口渇
上記のような副作用が認められた場合には,必要に応じ,減量,投与中止等の適切な処置を行うこと.
注1)心筋梗塞,心臓突然死,脳卒中等の重篤な有害事象がタダラフィル製剤の投与後に報告されている.しかし,これらのほとんどの症例がタダラフィル製剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており,これらの事象がタダラフィル製剤,性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか,又は,これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定することはできない.
注2)「その他の注意」の項参照

高齢者への投与

高齢者では一般に生理機能が低下しているため,慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

女性に対する適応はない.

小児等への投与

小児等に対する適応はない.

過量投与

1. 徴候・症状
外国において,健康成人にタダラフィル製剤を500mgまで単回投与した場合の副作用は,20mg以下の用量で認められた副作用の種類(頭痛,背部痛,消化不良,潮紅,筋痛等)と同様であった.
2. 処 置
過量投与の際の特異的な薬物療法はないが,適切な対症療法を行うこと.なお,腎透析によりクリアランスは促進されない.

適用上の注意

1. 薬剤交付時 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.)
2. 本剤は投与後36時間まで有効性が認められていることから,その期間は安全性について十分配慮すること.
3. 本剤は食事の有無にかかわらず投与できる.

その他の注意

1. 薬剤との因果関係は明らかではないが,外国においてタダラフィル製剤を含むPDE5阻害剤投与中に,まれに,視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されている.これらの患者の多くは,NAIONの危険因子[年齢(50歳以上),糖尿病,高血圧,冠動脈障害,高脂血症,喫煙等]を有していた.外国において,NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では,PDE5阻害剤の投与から消失半減期(t1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)は,NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている.
2. 薬剤との因果関係は明らかではないが,外国においてタダラフィル製剤を含むPDE5阻害剤投与後に,まれに,痙攣発作の発現が報告されている.
3. 薬剤との因果関係は明らかではないが,外国においてタダラフィル製剤を含むPDE5阻害剤投与後に,まれに,急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている.これらの患者では,耳鳴りやめまいを伴うことがある.
4. 本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない.
5. アルコール飲用時にタダラフィル製剤を投与した外国の臨床薬理試験において,アルコール血中濃度,タダラフィル製剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが,アルコールを高用量(0.7g/kg)飲用した被験者において,めまいや起立性低血圧が報告された.
6. 25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3〜12カ月間連日経口投与した毒性試験において,精巣重量の低下,精細管上皮の変性,精巣上体の精子数の減少が認められたとの報告がある.ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度の減少が認められたが,精子運動率,精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった.